東京スカイツリーの現場では、特別仕様のクレーンが日々活躍しています。このタワークレーンと共に吊荷の回転を制御し、作業効率アップや安全確保のために活躍しているのが「スカイジャスター」です。

通常以上に風の影響を強く受ける吊荷
タワークレーンで揚重を行なう際には、風の影響やクレーンの慣性力により、吊荷が空中で回転してしまうことがあります。安全確保のため、10分間の平均風速が10m/s以上の強風時には、作業を中止することが法律により定められていますが、平均風速が10m/s以下といっても安心は出来ません。風の影響が多いと思われる高層ビル建設などでは、吊荷の回転を制御する装置をクレーンと吊荷の間に取り付け、安全を確保しています。
特に東京スカイツリーの場合は、通常のビル建設と異なる要因があります。


建築物の超高層化、鉄骨重量の増加により、最近では大型タワークレーンを使用する機会が増加してきています。それに伴って、従来型より高機能の吊荷方向制御装置が必要となり、大林組では、新型装置の開発に取り組んできました。
東京スカイツリーに関しても様々なシミュレーションを行いました。
(シミュレーション例)


その結果、新型タイプの「スカイジャスター」が東京スカイツリーの建設でも活用できることが判明し、 この現場で初めて稼動します。
これが「スカイジャスター」だ!



風の影響やクレーンの動きに伴う慣性力で回転している吊荷を止めます。

正しい位置にいる吊荷を外乱(風・慣性力)に対抗してそのままの姿勢で保ちます。

吊荷を正しい位置に降ろすために、空中で回転させます。



スカイジャスターは、物体を回転させると回転が高速なほど姿勢が安定する「ジャイロ効果」の原理で機能します。
