つくり方大公開!

上級編

タワーを支える杭をつくる

634mを支える基礎をつくる「ナックル・ウォール工法」

1 杭基礎にはいろいろな種類がある

建物の杭は、地盤や建物の種類によって使い分けられています。

既製杭 場所打ちコンクリート杭
あらかじめ孔(穴)を掘削し、既製杭を埋め込む工法。 鉄筋コンクリート造の杭を現場で構築する工法。
丸杭 壁杭
柱状の独立杭 コンクリート造の壁状の杭。超高層建築物などの規模の大きな建築物に使用されます。

2 節(ふし)付きの壁杭だから抜けにくい。
大林組が開発した「ナックル・ウォール (節付き壁杭)」

「東京スカイツリー」に採用されているナックル・ウォールは大林組の地中連続壁工法「OWS(オウス)工法」で構築する壁状の杭に節を付けたものです。節を付けることで杭が地盤に固定され、荷重を支える力が大幅に増大します。また、壁状のため剛性が高く、地震時の水平の力にも高い抵抗力を持っています。ナックル・ウォールは、東京スカイツリーのように超高層建物に優れた効果を発揮します。

3 大林組の地中連続壁工法
「OWS(オウス)工法」
(日本建築センター評定取得工法)

大林組の地中連続壁工法「OWS(オウス)工法」はわが国最大の実績を誇っています。これまでの施工面積は450万㎡を突破しており、これはオーストラリア大陸の東から西に高さ1mの壁を築いたことに相当します。

施工順序

地中に壁状の溝を掘り、鉄筋籠を挿入しコンクリートを流し込み構築します。

  • ① 掘削
  • ② 鉄筋籠挿入
  • ③ コンクリート打設
  • ④ 完成

この工法の一番の特徴は、建物の基礎となる『杭』としてだけでなく様々な用途に活用できるという点。例えば、施工中に土砂が崩れないようにする『山留め壁』や、地下室を作る『構造壁』、地下水の発生する場所などでは『止水壁』などにも利用できます。
※「OWS」は、OBAYASHI-WET-SCREENの略です